一方、うちの夫は、4月から日本語のクラスに復帰して、週3回、2時間ずつくらいの授業に出ています。2年前はレベル別の総合クラスに出ていたのだけど、今回はオーラル、リスニング、文法という分野別クラスを選択。それぞれの指導法の特徴がなかなか興味深いです。たとえば、会話や発表の練習をするオーラル・クラスでは、語用論的な指導が徹底されています。何か意味を伝えるための記号とか道具としての日本語を教えるというよりも、日本語会話の文脈や雰囲気をわからせて、より日本人らしくふるまえるようにしようというもの。文法クラスは別にあるので、オーラル・クラスとしては理にかなっているとも思うのですが、そこで教えられている日本語的ふるまいというのが結構おもしろい。
たとえば、発表の練習のために、教科書とかプリントに見本の原稿が用意されているのですが、その原稿にやたらと「えー」とか「あのー」「えーっと」ってのが挿入されている。結構ランダムに入れられているように感じるので、その「えー」付き教科書原稿の読み練習を家でしているのを聞くとかなり不自然なのですが(頻繁に文章が突然切られて「えー」とかが入る)、やっぱりうまく「えー」が言えることが日本語会話への第一歩なのでしょうか。そういえば、『日本人の知らない日本語』に、日本語がしゃべれるのにタバコ屋のおばあちゃんにいつも逃げられていた白人のオーストラリア人が、「えーっと」からしゃべりはじめた時、初めてそのおばあちゃんが聞く耳を持ってくれたという逸話が載っていました。
あと、人に依頼をするとき、突然言うんじゃなくて、小出しにするみたいなテクニック。これも、家でやられて……
夫「すみません、ちょっと、よろしいでしょうか?」
私「何?」
夫「あのう、実は、ちょっとお願いしたいことがあるんですが…」
私「うん、何?」
夫「あの、今日の宿題のことなんですが…」
私「だから何?早く言ってよ!」
とイライラしてしまったのですが、これもちゃんと教科書に載っている順番通り。最初に「あのさ、今日の宿題の○○って××なの?」くらい簡潔にまとめて言ってくれればいいものを。ちなみに、受け答えるほうの模範解答は@「ええ、いいですよ」A「はい、何でしょうか?」B「ええ」というふうに、忍耐強く相槌を打ちながら、依頼者側の次の言葉を優しく促さなければならない。はー、めんどくさい。とはいえ、先生とかに何かお願いするときは、私も普段これくらいの感じでやってるかもなぁ。
ちなみにこれは、@依頼の仕方と、A「誘う→断る」という回の応用編で夫が書いた作文です。微妙にクレイジー、かつまともっぽいのに意味不明で笑ってしまったのですが、先生もちゃんと笑ってくれたとのことでよかった。
(読みづらいところもあるけど、写真を2回クリックすると大きくなります←おすすめすぎ?)
あと、こちらは友達のことを説明するっていう課題のメモみたいなんだけど、読んでみたら…
なんとなく私のことを言われている感が。「とても」を追加するくらい「思いやり」を評価されているのは結構意外でしたが、これは聞いてみると、私がよく他人に対して文句を言っているからで、相手の細かい欠点が気になるということはセンシティブだからだと説明されました。それって全然「思いやり」とは違うと思うけど…。「しらない人にたいしてきちょうめんじゃない」というのは、「他人に対して鈍感、気遣いができない」くらいの意味かな?と思って聞いてみたら、よく道で人にぶつかったりしてるからだそう(そうなのか、私は?)。あと、「愚痴っぽい」ってことも追加したかったらしいけど、言葉がわからなかったそう。はぁ、まあそんな私、思いやりをもって、人にぶつからず、愚痴を減らして生きていこうと反省しました。
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